文書提出命令

文書提出命令とは、民事訴訟手続において当事者が裁判所へ申立てることにより、証拠を所持している相手方、または第三者に対して、所持する証拠文書の提出を求める命令のことです(民事訴訟法221条)。今回は文書提出命令の申立てが却下された事例を紹介します(令和7年(ネ)第10086号 発信者情報開示命令の申立てについての決定に対する異議の訴え控訴事件)。文書提出命令の申立てには、文書により証明する事実を具体的に特定して記載しなければなりません。

(要旨)控訴人は、当審における令和7年12月19日付け文書提出命令申立書において、被控訴人に対し、①本件TikTokアカウントの保有者に対して、被控訴人が支払をした金額を示す文書(文書1)及び②本件プログラム参加時に被控訴人が本件TikTokアカウントの保有者に入力させた項目がわかる文書(文書2)の提出を命令ずるよう求めている(なお、被控訴人は、上記申立ては時機に後れた攻撃防御方法であるとして却下を求めるものの、直ちに時機に後れたものとまでいうことはできないし、訴訟の完結を遅延させることとなるものであるとも認められない。)。上記文書提出命令の申立ては、証明すべき事実を「被控訴人が本件TikTokアカウントに関して入力した発信者の特定に資する情報が何か」として申し立てられたものであって、それ自体具体的に特定されているものではないから、支払金額や本件プログラム参加時の入力項目が明らかになることで、いかなる事実が立証されるのか、また、当該事実によって被控訴人が本件TikTokアカウントの保有者の氏名及び住所の情報を保有していることが立証される関係にあるのか明らかであるとはいえない。したがって、いずれの文書も本件において証拠調べの必要性があるとはいえないから、上記文書提出命令の申立ては却下する。

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