形態模倣行為

不正競争防止法2条1項3号は、他人の商品の形態を模倣した商品を譲渡・貸渡し・展示・輸出入する行為を禁止する規定です。今回は、バッグの形態模倣行為が争われた事例を紹介します(令和8年(ネ)第10029号 損害賠償等請求控訴事件)。形態模倣行為には、他人の商品への依拠性および他人の商品の形態との実質的同一性を要します。

(要旨)控訴人商品の背面内側に配された長方形状の内ポケットと被控訴人商品の背面外側に配された外部ポケットとは、その配置位置やサイズが大きく異なる上、バッグの外観を構成しない内側の面に、すなわち商品全体のデザインへの影響が少ない部分に利便性を考慮してポケットを設けるというのと、バッグの外観を構成する外側の面に、すなわち商品全体のデザインへの影響が少なくない部分にポケットを設けるというのとでは、デザインに至る着想において明らかな隔たりがあることからすれば、被控訴人商品における外部ポケットが控訴人商品における上記内部ポケットに依拠し、これを模倣することにより着想されたものであるとは認められない。…控訴人は、仮に被控訴人商品と控訴人商品の形態の実質的同一性が否定された場合であっても、被控訴人商品が控訴人商品の形態を模倣したことを肯定すべきである旨主張する。しかし、不競法2条1項3号にいう「模倣する」とは、他人の商品の形態に依拠して、これと実質的に同一の形態の商品を作り出すことをいう(同条5項)のであり、同条1項3号の不正競争に該当するというためには、他人の商品への依拠性と他人の商品の形態との実質的同一性を要する。したがって、被控訴人商品が控訴人商品の形態との実質的同一性を欠く場合には、同号所定の不正競争に該当しないことは法の規定から明らかであって、控訴人の上記主張は採用できない。

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